Archive for 相続に関する書籍

「相続はおそろしい」(平林亮子著、幻冬舎新書)

2009年3月発行の同書は、弁護士や司法書士などの法律家が書いたものではないが(著者の平林亮子氏は公認会計士)、相続にまつわり生じやすい問題、トラブルを分かりやすく物語にしながら、法律上の知識や問題も提示しています。

最初の章である「相続と介護」の章では、今後の高齢化の進展でますます問題となる介護を負担した場合の注意事項が、事例物語で提起されています。つまり、介護をしたから「特別寄与者」として評価されると思っていたら、預金の減り方が著しく、財産を費消したと疑われ、逆に相続分を減額される「生前贈与」を主張された、という、笑えない物語です。このようなことが起こらないよう、同居して面倒を見ている家族は、できるだけ、預金減少分について、何に使われたのか、資金使途を把握することが大切だ、としています。

相続と嫁姑問題についても、興味深い事例の物語が紹介されています。子供が生まれないまま夫が死亡した場合、妻と姑が不動産を相続することになり、夫の思い出を大事にしたい妻、息子の思い出を大事にしたい母の間で、嫁姑問題が勃発、財産も絡み紛糾する、という事例です。

このように、この本では、相続をめぐってどのような問題が生じうるのか、それに対してどのような事前の対策を講じるべきなのか、不幸にも問題が発生した場合には、どのように対処すべきなのか、など、情報と示唆に富んでいます。

相続を考える上で参考になります。おすすめしたい書籍です。(弁護士N.S)